退屈飛び出した 白ウサギ
目覚める心臓に 僕を思い出す
憂鬱抜け出して 森深く
戻れない足跡に 散らした薔薇の音
影をめくり 道なき道へ
ときめきの行方 まだ見ぬ果て
捕らえるの 真実
不思議を知るほど イバラは絡みつく
にやり 嗤う三日月
「泥に汚れて傷だらけなら
天使のままじゃ ナンセンス」
並んだ扉たち トロンプルイユ
迷える羊は 眠りを誘う
蝶々は 脱殻と踊り出し
燻る 詩人のアラベスク 羽化の聲
空がゆれて綿雲とけた紅茶は何色?
午前三時の甘い夕陽を飲み干す
ウサギを見つけて イバラを掻き分ける
熱く伝う 蜜と血
夢でいられない痛みの中で
冴えてゆくただ ワンダーランド
不思議を追うほど イバラが抉り出す
生きる者の真紅よ
偽りの赤 塗り替えるように
確かに抱け 衝動