閉ざされた季節にて

2024.07.19

涙の雫は目蓋の裏に
君の憂いへ贈る薔薇
ただ一つ育てる


歌を忘れても
夜空の海を月が夜ごと運ぶのは
失くせぬ旋律


暗い天鵞絨のような孤独を行く
君へ辿りつけるまで
触れえぬ夜明けは世界を染めても
遥か僕らの間を黄昏色で移ろう


春も凍てついた閉じた季節で
決して色褪せず眸は
逢えるいつかを探している

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